広大な森にどのような種類の樹木がどれだけあるかを効率的に知りたい、台風などの自然災害で森林被害が発生した際に、安全な場所から森の状況を把握したい――。マテリアルの森の守り人である私たちは、日々こうした課題に直面しています。その突破口となり得るのが、ドローンや人工衛星をはじめとするリモートセンシング技術※などの先進的技術です。

たとえば、ドローンを使うとまるで「鳥の目」のように上空から広大なマテリアルの森を見渡せるため、安全かつ効率的に森の状況を把握することができます。また、物流用ドローンを使えば、最小限の労働力で苗木などを運ぶこともできます。このようにひとの「目」や「手足」の代わりになることで、森林管理にかかる多くの時間と労力を軽減し、森の守り人の安全性向上に一役買っているのです。

ただし、マテリアルの森のすべてをリモートセンシング技術などの先進的技術に任せるわけではありません。技術で森林管理を効率化することで、「森に足を運び、森を観察し、森の声を聴く」、「マテリアルの森を思い、森に必要なことを考え、森の機能を最大化させる」――そうした真に大切な作業に時間を割くこと。それが、私たちが理想とする森づくりのあり方です。
※リモートセンシング技術 遠く離れた場所から、対象物に触れずに形や性質を測定する技術