金属と社会を、クリーンにつくり出す Vol.1
鉱石などから金属を取り出す製錬と呼ばれる工程でいかに環境負荷を低減させるかは、長年にわたる社会課題の一つです。
三菱マテリアルは、1970年代に銅の製錬において世界で初めて無公害の製錬プロセス「三菱連続製銅法」の実用化に成功。今日に至るまで、環境に配慮しながら金属をクリーンにつくるためのさまざまな工夫を続けています。 持続可能な社会を実現するため、そして社会課題解決のために、独自の技術を活かしています。
三菱マテリアルは、1970年代に銅の製錬において世界で初めて無公害の製錬プロセス「三菱連続製銅法」の実用化に成功。今日に至るまで、環境に配慮しながら金属をクリーンにつくるためのさまざまな工夫を続けています。 持続可能な社会を実現するため、そして社会課題解決のために、独自の技術を活かしています。

なぜ、三菱マテリアルはクリーンに金属資源をつくれるの?
環境に優しい製造プロセスを確立したから
三菱マテリアルは、金属資源をつくる上であらゆる独自技術や仕組みを活用し、環境に貢献しています。
ここでは素朴な「疑問」をもとに、E-Scrapの回収•処理、三菱連続製銅法による環境負荷が低い製造プロセス、リサイクル金属ブランド「REMINE」の立ち上げなど、三菱マテリアルの環境貢献のポイントをご紹介します。
ここでは素朴な「疑問」をもとに、E-Scrapの回収•処理、三菱連続製銅法による環境負荷が低い製造プロセス、リサイクル金属ブランド「REMINE」の立ち上げなど、三菱マテリアルの環境貢献のポイントをご紹介します。

E-Scrapってそのまま炉に入れて大丈夫なの?
前処理炉で焼却•熔融処理しています
従来の銅製錬法では微粉状の原料しか熔融処理できませんでしたが、三菱連続製銅法では小石程度の大きさのE-Scrapであれば直接処理が可能です。これより大きなサイズのE-Scrapは、前処理炉に投入して焼却・熔融処理を行い水砕することで粒状の再資源化滓(スラグ・メタル)に変え、三菱連続製銅法で処理します。前処理炉は基本的にE-Scrap自体が含む可燃物の反応熱だけで燃焼(自燃)・熔融させることが可能で、化石燃料フリーの環境に優しいプロセスを実現しています。前処理炉と三菱連続製銅法を組み合わせることで、多様な性状のE-Scrapに対応しています。
前処理炉の役割は?
塩素や臭素を除去します
前処理炉では、可燃物を多く含むE-Scrapを燃焼・熔融させます。この過程でE-Scrapをスラグ・メタルに変えることに加え、熱回収(サーマルリサイクル)を行います。熱回収した蒸気を用いて自家発電を行っています。
また、廃基板のプラスチック部には、塩素や臭素といったハロゲン分が含まれ、これらを多量に処理することは三菱連続製銅法の設備腐食の原因となります。前処理炉は、E-Scrap中に含まれる塩素・臭素といったハロゲンを除去する役割も担っています。
塩素や臭素を除去します
前処理炉では、可燃物を多く含むE-Scrapを燃焼・熔融させます。この過程でE-Scrapをスラグ・メタルに変えることに加え、熱回収(サーマルリサイクル)を行います。熱回収した蒸気を用いて自家発電を行っています。
また、廃基板のプラスチック部には、塩素や臭素といったハロゲン分が含まれ、これらを多量に処理することは三菱連続製銅法の設備腐食の原因となります。前処理炉は、E-Scrap中に含まれる塩素・臭素といったハロゲンを除去する役割も担っています。

銅をつくる時、排ガスはたくさん出るの?
無公害のシステムを確立しています
従来の銅製錬は、複数の炉を使い、各炉の熔体の移動に蓋のないレ̶ドル(鍋)を用いたため、熔体から発生する二酸化硫黄(SO2)ガスが漏煙していました。しかし三菱連続製銅法では密閉された炉を「樋」で連結することでSO2ガスの漏煙を防ぎ、無公害のシステムを確立させました。
その技術ってどうすごいの?
世界で初めて実用化に成功しました
銅の連続製錬プロセスの実現は技術者の夢だったと言われています。1974年、この技術を世界で初めて実用化したのが「三菱連続製銅法」です。オイルショックによる建設難航など度重なる苦難を乗り越え、世界に誇るシステムが誕生しました。
やっぱり大量のエネルギーを消費してしまうの?
省エネルギーを実現する工夫があります
三菱連続製銅法は、設備全体がコンパクトで、連続式の操業であることがポイントです。これにより、省エネルギー・低コストな操業が可能となりました。
世界で初めて実用化に成功しました
銅の連続製錬プロセスの実現は技術者の夢だったと言われています。1974年、この技術を世界で初めて実用化したのが「三菱連続製銅法」です。オイルショックによる建設難航など度重なる苦難を乗り越え、世界に誇るシステムが誕生しました。
やっぱり大量のエネルギーを消費してしまうの?
省エネルギーを実現する工夫があります
三菱連続製銅法は、設備全体がコンパクトで、連続式の操業であることがポイントです。これにより、省エネルギー・低コストな操業が可能となりました。
E-Scrapって、どこから集めるの?
処理量は世界トップクラス
近年、電子機器類のリサイクル率が向上したことで、E-Scrapの取り扱い量は今後一層増えることが見込まれます。三菱マテリアルでは国内だけでなく欧州、北米といった世界各地からE-Scrapを集荷しています。その処理量は年間約16万トンで世界トップクラスを誇ります。
処理量は世界トップクラス
近年、電子機器類のリサイクル率が向上したことで、E-Scrapの取り扱い量は今後一層増えることが見込まれます。三菱マテリアルでは国内だけでなく欧州、北米といった世界各地からE-Scrapを集荷しています。その処理量は年間約16万トンで世界トップクラスを誇ります。


集める量は今後増やせるの?
年間24万トンへ増やす目標です
三菱マテリアルのE-Scrap 処理量は、全世界の発生量約80万トンのうち、なんと約20%を占めています。今後もE-Scrap 市場の拡大が見込まれることを踏まえ、処理能力を2030年度末までに、年間約 24万トンにまで拡大させることを目指しています。

直島製錬所


小名浜製錬㈱小名浜製錬所

リサイクル材料を使っていることを、どう証明しているの?
第三者機関の検証を受けています
三菱マテリアルは、非鉄金属製品におけるリサイクル材料の含有率を明示した、国内初のリサイクル金属ブランド「REMINE」を立ち上げました。REMINEは、国際規格ISO14021※に準拠してリサイクル材料含有率を算出し、第三者機関による検証を受けており、信頼性を確保した非鉄金属製品です。
※ 製品の環境情報に関して曖昧な表現の排除や検証に必要な情報開示が求められる国際規格
第三者機関の検証を受けています
三菱マテリアルは、非鉄金属製品におけるリサイクル材料の含有率を明示した、国内初のリサイクル金属ブランド「REMINE」を立ち上げました。REMINEは、国際規格ISO14021※に準拠してリサイクル材料含有率を算出し、第三者機関による検証を受けており、信頼性を確保した非鉄金属製品です。
※ 製品の環境情報に関して曖昧な表現の排除や検証に必要な情報開示が求められる国際規格

そもそも金属資源って、鉱山から確保すればいいのでは?
未来のために、限りある資源を循環させる必要があります
金属資源は将来、需要と供給のバランスが崩れる可能性がありま す。特に銅は、xEVや再生可能エネルギーの発電設備に必要不可欠で、脱炭素化を支える素材として欠かせません。しかし今後、鉱山からの供給量は減少が予測されているため、限りある金属資源を「循環」させる必要があります。そこで次のページからは「家電リサイクル」を例に、三菱マテリアルグループの資源循環の取り組みを紹介します。
未来のために、限りある資源を循環させる必要があります
金属資源は将来、需要と供給のバランスが崩れる可能性がありま す。特に銅は、xEVや再生可能エネルギーの発電設備に必要不可欠で、脱炭素化を支える素材として欠かせません。しかし今後、鉱山からの供給量は減少が予測されているため、限りある金属資源を「循環」させる必要があります。そこで次のページからは「家電リサイクル」を例に、三菱マテリアルグループの資源循環の取り組みを紹介します。