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2025.06.27

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三菱マテリアルグループの市場における尖兵に!

国内外のお客様に確かな価値をお届けする、三菱マテリアルグループの中核商社である三菱マテリアルトレーディング株式会社。取締役社長の橋本良作に、三菱マテリアルトレーディング社の経営理念・ビジョン、今後の展望、新たな価値観への想いを聞いた。

三菱マテリアルトレーディング社の歩み

当社は1947年5月、三菱鉱業(現三菱マテリアル)の子会社「菱光産業」として設立。国内外で事業範囲を拡大し、2014年に現在の「三菱マテリアルトレーディング」へと社名を変更しました。
東京本社(中央区日本橋浜町)を中心に日本国内においては、北は八戸から南は長崎まで18の拠点、海外はアジア・オセアニアを中心に8拠点でビジネスを展開しています。
社員数はグループ全体で366名(2025年3末時点)、売上高は809億円(2025年3月期)となります。

歩むべき道を照らす新たな経営理念とビジョン

当社の経営理念は「社会に愛され、顧客に信頼され、社員の幸せを追求する」、また経営ビジョンは「社員の成長を柱に、躍動感にあふれ、常に挑戦する商社を目指す」と定めています。

この経営理念とビジョンに共通して貫かれているものは、約80年にわたり当社が大切にしてきた「人」を中心とした経営です。人を中心とした経営とは、人はリソース(資源)ではなくソース(源泉)と捉える考え方です。人こそが会社の源泉であり、社風をつくり、事業を生み出し、理念とビジョンを実現する原動力となります。そして、その「人」である社員 一人ひとりにも、そして私自身にも、それぞれ固有の願いや夢があり、それを実現するために私たちは働いています。

次に、経営理念とビジョンに込めた想いをお伝えします。
まず、理念とは、当社の存在意義、すなわち「なぜ当社は世の中に存在するのか」を示すものであり、普遍的な価値を表現しています。この策定にあたっては、二つの視点を重視しました。

一つ目は、約50年前に制定された当社の社是「共存共栄」、「信用」、「福祉の向上」の精神を引き継ぐこと。二つ目は、当社が商社であり、商社は商人の集団であるという原点に立ち返ることです。商人の普遍の価値を突き詰めた結果、行き着いたのが、「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)の考え方でした。
すなわち、売り手である当社が適正な利益を得ることで、社員が物心両面で幸せになる。買い手である顧客が適正な価値を享受することで、当社が信頼される。そして、世間である社会に対しては、ルールの順守や環境への配慮などを通じて社会的責任を果たし、社会に愛される存在となる ― この様な思いを込めています。

また、この経営理念は、単なる理想論ではなく、「一生懸命働く姿勢を持ち続けたい」という思いも込められています。その象徴として、三方よしの代名詞であり、千両天秤を実現した近江商人の精神を重ねました。
千両天秤とは、天秤棒一本を肩に担ぎ、汗と埃にまみれて全国各地を行商し、各地でお客様の信頼を得て販路を広げ、最終的には千両(今の1億円強)もの財を築くという姿です。その財で贅沢をするのではなく、初心を忘れず、再び天秤棒を担いで、行商に出る。そうした商売への真摯な姿勢や、泥臭くも誠実な努力を、この経営理念に込めています。

次に、ビジョンに込めた想いです。
ビジョンとは、5年、10年先に当社が目指す未来像を描いたものです。この策定にあたっては、前述の「人を中心とした経営」に加え、三菱マテリアル グループが掲げる新しい価値観— 「挑戦」、「変化」、「成長」、「称賛と感謝」、「より良い明日」— を織り込みました。
具体的には、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、事業ポートフォリオの最適化を図る「躍動(変化)」を重視しています。さらに、失敗を恐れずに挑戦し続けることで、新規顧客や新製品の創出を目指します。そして、挑戦·変化の原動力となる「人」に対しては、称賛と感謝の気持ちをもって教育(心の成長を含む)を行い、社員の成長を支援します。
このようなサイクルを継続的に回し続けることで、「より良い明日」を創造していく— それが当社のビジョンに込めた想いです。

以上の経営理念・ビジョンは、単なる会議室のお飾りではなく、継続的に社内へ浸透させ、実践していくべきものです。また、言うまでもなく、三菱マテリアルグループが大切にする3つのこと、すなわちSCQDE(※) 、バッドニュースファースト、自由闊達なコミュニケーション— についても、今後も継続して取り組んでまいります。

(※)「SCQDE」は私たちが業務を行う上での判断の優先順位を示したものです。
S(Safety & Health):安全と健康最優先、C(Compliance & Environment):法令遵守、公正な活動、環境保全、Q(Quality):「顧客」に提供する製品・サービス等の品質、D(Delivery):納期厳守、E(Earnings):適正利益

人を中心とした経営を大切にしている

新中期経営戦略のスタート

当社は2025年度より、新たな中期経営戦略をスタートしました。この戦略の柱として、社員が仕事をする際の「大枠」を設定し、その枠の中で社員一人ひとり が「自らが考えて行動する」ことを目指しています。この「大枠」は、阿蘇の草千里に広がる白い柵で囲まれた牧場をイメージしていただければと思います。
設定した「大枠」は以下の3つです。

1)思考の枠(経営理念・経営ビジョン=グループ価値観)
社員のものの考え方に共通の枠を設け、行動や判断の基準を共有することで、自らの行動がその枠から逸脱していないかを確認できるようにします。これにより、組織としての一体感を醸成し、社員間の協働を円滑に進めていきます。

2)事業の枠(事業領域・ポートフォリオ)
事業領域(ドメイン)を明確に定め、その中で三菱マテリアルグループの市場における尖兵として活動します。ポートフォリオの縦軸には「事業領域」、横軸には「営業利益額×市場成長率」を置き、これに基づいて企業活動の資源配分を決めていきます。

3) 仕事の仕組みの枠(組織・人事・教育)
2025年4月より、事業の枠に基づいた組織再編を実施しました。最適な人事配置を行い、各人の組織における役割を明確化。経営層を含め、全員がその役割を果たす意欲を持てるよう、インセンティブ設計にも工夫を凝らしています。活動成果は測定・フィードバックを行い、 教育(心の成長を含む)については外部講師によるハンズオン研修やOJT、1-on-1を中心に展開し、社員 の成長と物心両面での幸せを追求していきます。

最後になりますが、今春、当社の本社オフィスは一気に令和仕様へと生まれ変わりました。また、4月からはマテリアルエコリファイン社から新たな仲間も加わり、組織としての厚みも増しています。
この変化を機に、社員一人ひとりが「自らが仕掛ける」、「変化を楽しむ」、「挑戦を続ける」姿勢を持ち
前向きに行動してくれればと考えています。
そして、この令和のオフィスで、パートナーやお子さん、ご両親、ご兄弟姉妹そして友人たちに「カッコイイな」、「誇らしいな」と思ってもらえるような機会を、今年中にぜひ作りたいと考えています。
新オフィス(左:リフレッシュエリア、右:総合受付)