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2025.05.09

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三菱マテリアルグループは、2030年に向けた“私たちの目指す姿”として、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを掲げています。

その実現の鍵となるのが、社員一人ひとりの行動です。2024年8月にリニューアルした三菱マテリアルグループの価値観、すなわち 「挑戦」「変化」「成長」「称賛と感謝」「より良い明日」 は、日々の業務の中で実践されてこそ、"私たちの目指す姿"の実現につながります。

とはいえ、「価値観を実践してください」と突然言われても、最初はなかなかピンとこないものです。だからこそ、まずは社員同士で語り合うことから浸透を進めています。2024年10月からは、世界中の拠点で「価値観ワークショップ」を開催し、自身の行動とグループの価値観を結びつける対話の場を広げてきました。

価値観は、ただ掲げるだけでは実践にはつながりません。社員同士が自分の言葉で語り合い、何度も対話を重ねることで、価値観は“行動の指針”として根付いていきます。ワークショップは、そんなきっかけをつくる大切な場になっています。

日々の業務を起点に「価値観」を語り合う

ワークショップは一方通行の座学ではなく、対話を中心とした参加型の形式で進められました。参加者はまず、自身の日々の業務を振り返りながら、
「いま、自分の行動は価値観に沿っているのか?」
「これから、どんな行動を心がけていくべきか?」
という問いに向き合いました。

その後、同じ職場のメンバーと、自分の考えや経験を共有し、他のメンバーの話に耳を傾ける中で、自分では気づけなかったこと、価値観の多様な捉え方を知ります。また印象に残った意見や気づきを発表し合い、チーム全体としてどのような行動をとっていくことが大切かについて、理解を深めていきました。
ワークショップの様子。対話をしていくうちに緊張が解け、さまざまな考え・意見が飛び交います。

「そんなふうに考えていたんだ」 ─語り合うことで知る仲間の思い

半導体装置向けの材料や精密加工品を製造する、三菱マテリアル三田工場(兵庫県 三田市)の製造部の社員にインタビューを行い、現場で実際にどんな気づきがあったのかを伺いました。

ワークショップ参加者は、メンバーの発表を聞いたときの驚きをこう語ります。
「普段、仕事上あまり関わりがない人もいて、どんなことを考えて仕事をしているか知る機会がなかったんです。ワークショップでは、『そんなに深く考えていたんだ』と驚くことばかりでした。」

別のメンバーからも、「同僚が何に挑戦しようとしているのかが分かって、応援したくなったし、挑戦を助けたいと思いました。」と話します。

また、「ワークショップで同僚の想いを聞けて、普段同僚がどんな考えで、どんな部分にこだわりを持って仕事をしているかをより深く理解できました。」という声もあがりました。

ワークショップを通じて、お互いをより深く理解する関係性が生まれていたようです。

ワークショップ後の記念撮影(三田工場 製造部 第一技術管理グループのメンバー)

「価値観」という言葉を、以前よりも身近に感じるようになったという声も聞かれました。

ある参加者からは、「ワークショップ前に、自分が今、グループの価値観をどのくらい実践できているかという“自己評価”と、“今日からの行動”を考えたことで、価値観への理解がぐっと深まりました」と話し、実際の行動につなげる意識が芽生えたといいます。

また、「上長の想いや、自分に期待されていることがわかり、それに応えたいという気持ちが強くなりました」と、前向きな変化を語ってくれた方もいました。

ワークショップの最後には、それぞれが「私たちの目指す姿」に向けてどんな一歩を踏み出せるかを考えました。

その結果、「まずは“意識”を変えることから」と語り、経験を重ねる中で見えにくくなった改善点にも目を向けたいという意見や、「他の人の価値観を知ったことで、これからの仕事の中でのコミュニケーションも変わってくると思う」、また「自分の立てた小さな目標が、“私たちの目指す姿”につながっていると信じて、できることから実践していきたい」というコメントもあり、新たなチームワークの可能性を感じたようです。

ワークショップのファシリテーターを務めた社員からは、「今後もメンバーそれぞれが自分で決めた目標の実践を応援し、お互いに応援し合う職場風土を醸成していきたい。」と意気込みの声が聞かれました。

価値観を“生きた指針”へ ─これからの取り組み

ワークショップはゴールではなく、始まりです。三菱マテリアルグループでは、グループの価値観を日々の業務に根づかせるために、今後もさまざまな取り組みを継続していきます。

たとえば、部門単位での定期的な対話の場の設置や、グループ内のコミュニケーションサイト内で日常業務での実践例の共有などが計画されています。また、グループの価値観に基づいた行動が評価・称賛される仕組みづくりにも取り組み、社員が自然に価値観を体現できる環境を整えていきます。

“価値観を語り合う”という一歩から始まったこの取り組みは、社員一人ひとりの行動を変え、組織の文化を変え、そして、"私たちの目指す姿"の実現へとつながっていきます。