循環に価値を。 Vol.1
2023年度から2030年度までを対象とした、三菱マテリアルの「中期経営戦略2030( 以下、中経2030 )」が、4月からスタートしました。
その中で、注力していくテーマは「循環」です。なぜ今「循環」にこだわるのか。
そして2030年の社会において、三菱マテリアルはどうありたいのか。執行役社長の小野が語ります。
その中で、注力していくテーマは「循環」です。なぜ今「循環」にこだわるのか。
そして2030年の社会において、三菱マテリアルはどうありたいのか。執行役社長の小野が語ります。
CEO INTERVIEW
なぜ今「循環」なのか。
三菱マテリアルは「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、社会に不可欠な素材を供給しています。この度、中経2030を策定するにあたり、2030年に向けた私たちの目指す姿を「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」としました。そして、その実現のために私たちが歩むべき道筋を戦略としてまとめたものが、中経2030です。
前中経では、事業ポートフォリオの最適化に取り組みました。これまで幅広い事業を展開してきた当社が、この先も社会にさらなる価値を提供していくためには、私たちの強みを明らかにし、経営資源の配分を整理する必要があると考えたのです。その中で、当社が注力すべきビジネス領域として導き出したのが、「資源循環の拡大」と「高機能素材・製品供給の強化」。
そして、それらに取り組むにあたり、キーワードとなるのが「循環」です。資源には限りがあり、それらを人と社会と地球のために無駄なく使うにはどうしたらよいか。近年は循環型経済に注目が集まっています。そこでは、再生・再利用しやすい製品の設計、製品の長寿命化、ものを共有するなどに加え、今まで活用されていなかった廃棄物を新たな資源と捉え、循環させていくことが、持続可能な社会をつくる上で欠かせません。こうした考えを「循環をデザインする」という新たに制定したビジョンに込めて、これからの事業に取り組むことにしました。
では、「循環をデザインする」とは、何をするのか。当社の役割は、長年のものづくりの技術とノウハウの蓄積により培われた高度な非鉄金属のリサイクル技術を活かし、金属資源を循環させるためのプラットフォームを構築すること。そして、そのプラットフォームに自らもプレイヤーとして加わり、価値を創出していくことです。
「なぜプラットフォーマーだけでなく、プレイ ヤーでもあるのか」「なぜものづくりの会社が、製品をつくる動脈型事業だけでなく、廃棄物から資源を取り出す静脈型事業にも注力するのか」――そう疑問に思われるかもしれません。しかし、静脈と動脈、その両方に取り組まないと知り得ない、社会のニーズがある。そして、それをものづくりの現場に活かし、付加価値の高い製品をマーケットに提供することが、バリューチェーン全体を成長させていくと考えています。
「循環をデザインする」というビジョンを体現する戦略と取り組みを、今号の特集、また次号以降でも継続して伝えてまいります。どうぞご期待ください。
前中経では、事業ポートフォリオの最適化に取り組みました。これまで幅広い事業を展開してきた当社が、この先も社会にさらなる価値を提供していくためには、私たちの強みを明らかにし、経営資源の配分を整理する必要があると考えたのです。その中で、当社が注力すべきビジネス領域として導き出したのが、「資源循環の拡大」と「高機能素材・製品供給の強化」。
そして、それらに取り組むにあたり、キーワードとなるのが「循環」です。資源には限りがあり、それらを人と社会と地球のために無駄なく使うにはどうしたらよいか。近年は循環型経済に注目が集まっています。そこでは、再生・再利用しやすい製品の設計、製品の長寿命化、ものを共有するなどに加え、今まで活用されていなかった廃棄物を新たな資源と捉え、循環させていくことが、持続可能な社会をつくる上で欠かせません。こうした考えを「循環をデザインする」という新たに制定したビジョンに込めて、これからの事業に取り組むことにしました。
では、「循環をデザインする」とは、何をするのか。当社の役割は、長年のものづくりの技術とノウハウの蓄積により培われた高度な非鉄金属のリサイクル技術を活かし、金属資源を循環させるためのプラットフォームを構築すること。そして、そのプラットフォームに自らもプレイヤーとして加わり、価値を創出していくことです。
「なぜプラットフォーマーだけでなく、プレイ ヤーでもあるのか」「なぜものづくりの会社が、製品をつくる動脈型事業だけでなく、廃棄物から資源を取り出す静脈型事業にも注力するのか」――そう疑問に思われるかもしれません。しかし、静脈と動脈、その両方に取り組まないと知り得ない、社会のニーズがある。そして、それをものづくりの現場に活かし、付加価値の高い製品をマーケットに提供することが、バリューチェーン全体を成長させていくと考えています。
「循環をデザインする」というビジョンを体現する戦略と取り組みを、今号の特集、また次号以降でも継続して伝えてまいります。どうぞご期待ください。

限りある資源を無駄なく使うために、「循環」の力が必要です。
取締役社長 小野直樹
「循環をデザインする」ということは、
“未来”をデザインするということ。
私たちの目指す姿
人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する
[豊かな社会 循環型社会 脱炭素社会]
人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する
[豊かな社会 循環型社会 脱炭素社会]

動脈型事業・静脈型事業とは?
使用済みの製品を回収し再生・再利用する「静脈型事業」、製品を生み出す「動脈型事業」。ビジネスにおけるモノの流れを血液循環に例えてこう呼んでいます。
三菱マテリアルにおける静脈型事業は、使用済みの廃棄された製品をリサイクルプロセスに投入し、原料や素材として再利用していく工程です。これまでの家電リサイクルで培ってきた技術と、当社が強みを持つ「製錬」というプロセスを通じて有価金属を取り出す技術・経験を統合し金属資源の循環を構築し、その対象範囲と展開する地域規模を同時に拡大します。一方、動脈型事業とは、静脈型事業を通じて取り出した金・銀・銅をはじめとするさまざまな金属素材に新たな価値を付加して、世の中に供給することです。中経2030においては、特に半導体、xEV、航空宇宙などの成長市場に対し、求められる高機能な素材や製品を供給することで動脈型事業を強化し成長させます。
さらにそれらを進めるにあたっては、地熱・水力・太陽光発電といった再生可能エネルギーを最大限に活用することでカーボンニュートラルの実現を目指します。
使用済みの製品を回収し再生・再利用する「静脈型事業」、製品を生み出す「動脈型事業」。ビジネスにおけるモノの流れを血液循環に例えてこう呼んでいます。
三菱マテリアルにおける静脈型事業は、使用済みの廃棄された製品をリサイクルプロセスに投入し、原料や素材として再利用していく工程です。これまでの家電リサイクルで培ってきた技術と、当社が強みを持つ「製錬」というプロセスを通じて有価金属を取り出す技術・経験を統合し金属資源の循環を構築し、その対象範囲と展開する地域規模を同時に拡大します。一方、動脈型事業とは、静脈型事業を通じて取り出した金・銀・銅をはじめとするさまざまな金属素材に新たな価値を付加して、世の中に供給することです。中経2030においては、特に半導体、xEV、航空宇宙などの成長市場に対し、求められる高機能な素材や製品を供給することで動脈型事業を強化し成長させます。
さらにそれらを進めるにあたっては、地熱・水力・太陽光発電といった再生可能エネルギーを最大限に活用することでカーボンニュートラルの実現を目指します。