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2024.07.08

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教育領域からものづくり現場を革新する

加工事業カンパニー 開発本部 加工技術センター 技術企画課
課長 鈴木 里菜

お客様に寄り添った講習でものづくり現場の課題を解決する

近年、ものづくり現場では労働者の継続勤務・技術の継承・自動化などさまざまな課題を抱え、その解決のために業務改善に取り組んでいます。的確な業務改善にはものづくり経験が必要ですが、私は理論や理屈に基づく知識も重要な要素だと考えています。
三菱マテリアルは、ものづくりに欠かせない切削工具を扱っています。私の所属する技術企画課の主な業務は、切削工具で加工した時に起こる現象やトラブルを体系立てて説明し、お客様の切削加工への理解が深まるような講習会を開催することです。私は講習会の組み立てを行う際、お客様に「どのようなことを理解してもらう必要があるか」を意識しています。例えば、お客様の切削加工に関する経験や知識レベルに合わせて、伝え方や資料の構成などを変えます。講習を通じてお客様の業務改善や自社の切削工具の拡販につなげることが私の使命であり、やりがいです。
三菱マテリアルは、中経2030で「ものづく り現場へのコト売り」を掲げています。技術企 画課は数年前から、有料サービスとして「切削アカデミー※」を実施しています。近年では、コロナ禍で十分な社内教育を行えなかった企業様からニーズがあることが明らかになりました。今後もお客様の求める情報を提供することで、コト売りの一助となりたいです。
技術企画課は社内研修も担当し、人材育成にも注力しています。人を育てるのには時間がかかりますが、地道に取り組むことで、将来的にお客様の真のパートナーとなり得る人材を輩出する。それが私の目標です。

新任課長として部下の「働きがい」をつくる

技術企画課としていかに最良のアウトプットを出すか――。これは2024年4月に課長に任命されたばかりの私が直面している課題です。現在、技術企画課には新入社員や経験者採用、他部署からの異動者など、多様なメンバー11名が在籍しています。経歴による知識量の違い、性格や仕事へのスタンス、仕事と生活のバランスもそれぞれ。ちなみに私は子どもがまだ小さいため、当然子育てにも向き合う必要があります。
新米管理職ながらに考えた最良のアウトプッ トの出し方は、「それぞれの適性や志向に合わせて仕事を割り振る」です。また、業務内容に合わせて柔軟にチームを組むことで、互いの知識を持ち寄り助け合うスタイルを取り入れました。それから私はメンバーの得意不得意、今後の希望などを把握するため、定期的に 1-on-1を行っています。それらをできるだけ尊重することでメンバーのモチベーションを高め、働きがいをつくる。それが管理職である私の使命です。

自分のキャリアを受け入れ積み上げる勇気

入社17年目を迎え、後輩からキャリア相談を受ける機会が増えてきました。「出産や育児でキャリアが中断するのが不安」といった切実な悩みで思い詰めてしまう人も。誰しも将来への漠然とした不安を抱えていると思いますし、目先の評価に一喜一憂してしまう気持ちもよく分かりますが、産休、育休を二度ずつ、そして休職も経験しながらも、課長として働いている私のような事例もあります。だからキャリアに悩む皆さんには、常に最短ペースでのキャリアアップではなく、他者と比較せず、その時の自分自身を受け入れる勇気を持って自分独自のキャリアモデルを考えていただきたいと思います。
また私自身、身近にロールモデルがいないことで思い悩んだ時期があったからこそ、自身のキャリアで生活も仕事も大切にする道を体現したいです。もちろん私の選択が必ずしも正解というわけではありませんが、悩みながらも諦めずに今日まで三菱マテリアルで働き続けてきた私のキャリアが、次世代を担う皆さんのキャリアの選択肢の一つになれば本望です。
仕事で大切なのは「チームワーク」だと話す、鈴木さん。「チームワークが生まれるのはフラットな職場。しかし、中にはシャイなメンバーもいるので、まずは“私の素”をさらけ出し、心の距離を縮めるようにしています」とのこと。