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2024.01.09

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特集: 世界のものづくりの力になる vol.1

三菱マテリアルは中期経営戦略2030において、目指す姿を「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」と掲げています。今号でご紹介するのは、自動車や航空宇宙、医療、金型、衛生など幅広い産業のものづくり現場で、ものを削ったり、切り出したりする際に使われる工具です。  普段、こうした工具を目にすることはないかもしれませんが、実は私たちの生活を支える、ものづくりになくてはならない存在です。

自動車

自動車の「基幹部」を形づくる
1台の自動車は、約3万点の部品からできています。大きな力に耐えながら「動かす」「止める」を制御するエンジンやブレーキは自動車の基幹部。精密な金属加工が施されるクルマづくりの現場で、三菱マテリアルの工具は活躍しています。

航空宇宙

厳しい空の旅にも耐える強い素材を加工する
約10万馬力のジェットエンジンを翼に携え、高度約1万mの上空を飛ぶ――そうした過酷な条件でも耐えられるように、航空機は軽量で強度の高い合金や炭素繊維複合材で作られています。それらを削り出しているのも、三菱マテリアルの工具たちです。

医療

動かせる喜びを取り戻す人工関節を加工する
けがや病気・加齢により、本来の働きができなくなった骨や関節の機能の、回復や補助を担うのが、ブリッジや人工関節・人工骨などの「代替再生治療機器」。加工が難しい合金が使われることが多いこの分野でも、三菱マテリアルの工具が活躍しています。

金型

スマホもペットボトルもこれが不可欠
金属やガラス、プラスチックなど、さまざまな素材の成形に使われる「金型」。スマートフォンからペットボトルまで、あらゆるものを形づくるために欠かせない存在です。金型の品質は、製品の出来を左右します。こうした金型の加工にも、三菱マテリアルの工具が使われています。

衛生

やわらかい素材でも、正確に切り出す
紙おむつや絆創膏などのサニタリー製品を作る際は、紙や不織布を、複雑な形に切り出す加工が必要です。グループ会社のMMCリョウテック社は「ロータリーダイカッター」という、言わば「型抜き」のように切断する工具を供給し、効率のよい生産を支えています。

数字と キーワードで知る
三菱マテリアルの超硬工具のここがスゴい

三菱マテリアルの工具の中でも、長年の技術蓄積を武器にして生み出し続けてきたのが「超硬工具」。その名の通り、非常に硬くて強く、金属の部品加工には不可欠な工具です。ここでは知られざるその「スゴさ」を、数字とキーワードをもとに深掘りしていきます。

超硬工具の先駆者!創業90年の歴史

三菱マテリアルの前身である三菱鉱業が開発し、1933年に商標登録された「トリディア」という製品から、私たちの超硬工具の歴史は始まりました。超硬合金は1920年代にドイツで製法が開発され、製品化されたばかりでした。世界の先駆者として、日本を代表する超硬合金メーカーの道を歩み、長年の開発研究から多くのイノベーションを創出しています。

東京製作所(筑波製作所の前身)における作業風景

チャレンジの繰り返しが結実
国内特許件数 736件

三菱マテリアル単独の特許件数は694件で、他社との共有は42件、合計で736件を誇ります(国内特許のみ、2024年1月1日時点)。長年開発に注力し、その努力が数多くの特許取得につながっています。技術者たちは常に未来の先を見据えて、新しい技術創出に挑戦しています。

MC6100シリーズ

あらゆるニーズに応える豊富な製品数37,000アイテム

※ DIAEDGE 切削工具の規格品アイテム数
三菱マテリアルは、総合工具メーカーとして3万点以上の品揃えを誇ります。これらの工具はグローバルな物流拠点によって、世界各地のお客様へ広く供給されています。自動車や航空機産業では、最先端の材料や技術にまつわる多様なニーズがあり、そうした多様な加工に応えられる超硬工具を揃えています。

グローバルな事業展開
19か国27法人で事業展開、88か国で販売実績

幅広いラインナップの工具を国内外で製造し、グローバル市場で販売しています。さらに世界各地にテクニカルセンターを設置し、切削試験や各種研修、技術相談など、世界各地のお客様へソリューションサービスを提供しています。こうした豊富な経験や知見を通して培った世界基準の技術力を活かし、グローバルに活躍しています。

切削工具の海外販売比率80%

DIAEDGE※1切削工具の2022年販売実績によると、海外での販売比率がなんと約80%。今後も超硬切削工具の需要は引き続き成長し、2030年には全世界で2兆円を超えることが予測されます。こうした需要に対応して、海外販売をさらに強化し、北米、欧州、中国を注力エリアとして事業展開を続けています。
※1 DIAEDGE:三菱マテリアルの超硬工具事業が展開する商品ブランド

2030年、ものづくりに使う電力の100%を 実質CO2フリーに

三菱マテリアルの加工事業においては他の事業に先駆けて、2030年度までに、製造に使用する電力の100%を実質CO2フリーとする計画を立てています。これにより、温室効果ガス(GHG)の排出量削減に貢献していきます。
2022年度より、国内製造拠点において電力会社の再エネメニュー※2を利用し、再エネ買電を開始しました。さらに自社再エネ発電由来の非化石証書※3の調達も始動しました。
また、具体的な設備投資の一つとして、太陽光発電を明石製作所、岐阜製作所、MMCツールズタイランド社に導入。国内外拠点における電力の自給自足などを通じて、これからも積極的に脱炭素社会の実現に貢献していきます。

MMCツールズタイランド社の太陽光発電設備

※2 再エネメニュー:電力会社が調達した再エネの電気や非化石証書を活用して、消費者にCO2排出量ゼロの電気を提供する電力プランのこと
※3 非化石証書:再エネなどの非化石電源で発電された電力の「環境価値」を証書化したもの