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2024.10.07

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進化する銅 Vol.1

銅は、人類が初めて使ったとされる金属。 実はその長い歴史とともに、「進化」しています。
優れた電気伝導性や熱伝導性などの機能を、人類は進化させ、社会を発展させてきた歴史があります。
三菱マテリアルは、銅合金や無酸素銅といった銅を進化させる加工技術を強みに、高性能で高品質な銅製品を社会に提供しています。

半導体

半導体の製造には形状加工など多くの工程が必要で、加工しやすい銅の特長が発揮されます。三菱マテリアルの銅を用いた半導体は、自動車部品やエレクトロニクス分野に使われることが多く、急速に進む自動車、エレクトロニクスの進化を支えています。
ICチップを固定して外部配線とつなぐ、リードフレームという部品に、三菱マテリアルの精密圧延技術を用いた銅合金が使われています。強度と導電率の優れたバランスや耐熱性、加工のしやすさといった、「進化」した銅の特長が活かされます。

自動車

自動車の電動化は年々加速し、xEVの販売台数の割合は増加。電動化に伴い、自動車の電気の通り道となる部材や部品には、これまで以上に精密で、より厳しい条件でも機能する銅製品が必要とされています。
大電流化の進む車載端子やバスパーに、三菱マテリアルの銅製品が使われています。特に電気自動車は動力や電子制御に大量の電気が使われ、優れた導電性や耐熱性が求められます。「進化」した銅がこの課題を解決しています。

銅は、こんなに変幻自在

加工技術の進化に伴い、銅は、別の金属と融合して「銅合金」になったり、酸素を極限まで減らした「無酸素銅」になったりと、人々の試行錯誤により姿や特性を変えてきました。まさに変幻自在な銅の進化について紹介します。

銅(Cu)

銅は進化の可能性を秘める、優れた金属です。電気をよく通すことから電子機器に欠かせない素材であり、熱をよく伝えるためエアコンの熱交換器や鍋などの調理道具にも使われます。また、伸ばしたり叩いたりして大きく形を変えやすく、加工性に優れています。さらに、合金化することで、さまざまな強みを加えることもできます。

銅(Cu)+マグネシウム(Mg)=MSPシリーズ

銅とマグネシウムの合金、MSPシリーズは、導電率と強度を両立させています。多くの導電部品を搭載する電気自動車に欠かせない素材です。中でも強度と耐熱性、曲げやすさに優れ、マグネシウムをシリーズで最も多く含む「MSP5」は軽量化のニーズにも応えています。

銅(Cu)+クロム(Cr)+ジルコニウム(Zr)=
クロムジルコニウム銅

銅とクロム、ジルコニウムの合金として、高耐熱、高導電率が求められる鋳造鋳型や航空宇宙分野に欠かせない素材です。リレー用可動片(スイッチの接点を切り替える機構部分)にも採用。高導電用途で通電発熱対策にも期待されます。

銅(Cu)+亜鉛(Zn)-鉛(Pb)=
GloBrass®、ECO BRASS®

銅と亜鉛の合金、鉛フリー快削黄銅「GloBrass®」、「ECO BRASS®」は、鉛フリーでありながら、高強度かつ加工性に優れています。自動車部品や水栓金具などに活用が期待されています。高い導電率を有しながら、耐食性があり、より幅広い用途への展開が期待されます。

銅(Cu)-酸素(O)=無酸素銅(MOFC®-HRなど)

酸素濃度を極限まで低減した銅です。三菱マテリアルは世界最高水準の強度と耐熱性を持つ、無酸素銅「MOFC®-HR」を開発。従来の無酸素銅が持つ優れた導電率・熱伝導率を備えつつ、銅合金並みの強度と耐熱性を実現。自動車用の高圧端子など、大電流・高放熱が求められる部品に活かされます。