伝熱パテってどんなソザイ?
三菱マテリアルの技術は、金属などの硬い素材だけではなく、実はやわらかい素材にも活用されています。その一つが、自動車や電子機器の中で発生する「熱」を逃がす手助けをする、伝熱材料「伝熱パテ」。今回は、粘土のようにやわらかく、自由自在に形状を変えられる、伝熱パテの特長をご紹介します。

ソザイに詳しい
Dr.マテリ
三菱マテリアルのラボで日々研究に勤しむ、
素材フリークな博士。
素材フリークな博士。
空気は熱を伝えにくい... だから「密着」がカギ!

放熱を妨げるのは「空気」です。空気は熱を伝えにくいため、発熱した高温部材と放熱部材の間に空気が入ると、熱が逃げにくくなります。そこでこれらの部材の間に伝熱パテを設置すれば、力を加えることで自在な形状を作れる粘土のような特長を活かし、各部材の細かな凸凹に入り込んで「密着」できます。つまり、部材の間に空気が入りにくくなるため、より効率よく放熱できるのです。三菱マテリアルグループは、培ってきた有機材料や無機材料の配合技術を掛け合わせ、こうした粘土状の新素材を生み出しました。
【こんなところに使用されます】

電気自動車
伝熱パテは、リチウムイオン二次電池や半導体などの稼 働を支える、伝熱材料として期待されています。特に電気自動車は大量の電力を必要とし、二次電池の「発熱対策」が重要課題です。伝熱パテがあれば、より大量の電力や高い負荷にも耐えて、発熱をコントロールできるため、電気自動車の一層の進化に貢献できます。

かつては、ゴムのような硬さの伝熱材料が主流だったんじゃ。粘土状にしたことで従来品よりも簡単に部材と密着できるから、効率よく放熱できるのじゃ。