「硫化物系 固体電解質」ってどんなソザイ?
三菱マテリアルの「硫化物系固体電解質」という素材は、xEVに使われる「全固体電池」の材料として、活用が期待されています。今回は、この素材を量産できるように編み出した、三菱マテリアルの独自技術をご紹介します。

ソザイに詳しい
Dr.マテリ
三菱マテリアルのラボで日々研究に勤しむ、
素材フリークな博士。
素材フリークな博士。
加熱して、原料をカンタンに合成!独自技術で量産も視野に!

硫化物系固体電解質をつくるために、従来は、複数の原料を容器に入れて、高速回転させるなどして原料を混合していました。しかし三菱マテリアルは、より簡単なプロセスの開発に成功。加熱炉で焼く「焼成」という手法を活用することで、合成を可能にしました。簡単に言うと、オーブンで原料を焼き上げて、クッキーをつくるような工程です。


全固体電池に変身すると...
高温にも低温にも強いxEVに使える安心な電池に!
「硫化物系固体電解質」は“変身”して「全固体電池」になります。一般的に、xEVに使う電池の中身は燃えやすい液体であるため、異常時に発火するリスクがあります。しかし、中身が「固体」である全固体電池は燃えにくいため、発火の危険性を下げられます。また、液体を使う電池よりも、高温にも低温にも強いので、これまで以上に安全で汎用性の高いxEVを実現できるのです。
【こんなところに活かされます】

xEVの高性能化や普及のために
現在、全固体電池の普及を妨げている要因の一つは、固体電解質の量産しづらさです。しかし今回三菱マテリアルが開発した独自プロセスにより、高品質、低コストな固体電解質の量産が実現できれば、xEVの高性能化と普及に寄与することができると期待されています。

全固体電池を搭載したxEVは安全であるだけでなく、充電時間を短縮できる可能性があると考えられているのじゃ