「チタン製水電解電極」ってどんな技術
三菱マテリアルがチタンで作る水電解電極は、脱炭素化に欠かせない「水素」を効率良く生み出します。今回は、難易度の高いチタン材料の「焼結」、つまりくっつける技術を活かし、編み出した独自技術をご紹介します。

ソザイに詳しい
Dr.マテリ
三菱マテリアルのラボで日々研究に勤しむ、
素材フリークな博士。
素材フリークな博士。
チタン粉をくっつける技術の力で
粉から立体を作れる!

水電解電極としては一般的な材料であるチタン。軽くて強い、素晴らしい素材ですが、削ったり曲げたりするのが非常に難しく、複雑な立体は作れないという欠点があります。そこで粉から立体を作ろうとしても、チタンの粉同士はくっつきにくい。でも、三菱マテリアルには「焼結技術」という強みがあり、粉をくっつけることが得意。この得意技を活かし、チタン粉を3Dプリンタで複雑な構造に形作ることができました。これにより、水素を効率的に生み出す「水電解電極」という発明品、簡単に言えば「水素ツクルくん」を作れたのです。

世界初!
純チタン粉からできた発明品が水素を生む

世界初の技術で純チタン粉からできた「水素ツクルくん」は水電解、つまり水を電気分解して水素と酸素に分け、水素を効率的に生み出すことができます。なぜ、こうして水素を作る必要があるかというと、水素は今後、石油に代わる貴重なエネルギー源として期待されているから。二酸化炭素を排出せずに生み出した水素が、あらゆるもののエネルギー源として活用されると、地球温暖化を防ぐことにつながるのです。
【こんなところに活かされます】
地球温暖化を防ぐために

水電解で水素を生み出す最大の利点は、二酸化炭素を発生させないこと。地球温暖化につながってしまう石油資源の代替として、水素が燃料として定着すれば、今後もサステナブルに車を動かしたり、家庭や職場に電力を供給したりすることができます。

2030年以降には、身近なところでも水電解由来の水素を原料とした、脱炭素製品が使われると予想されているのじゃ!