マテリアルの森では、一年を通して間伐を行います。間伐とは、樹木の一部を伐ることで、木々の密度を調整する作業です。人の手で植えられた木は、間伐を行わないと樹木の成長に伴い木々の間隔が狭くなり、地面に十分な光が届かなくなります。適度な間伐で、木々の成長に欠かせない光が差し込む空間をつくってあげることは、たくましい木を育てることにつながるのです。

森の守り人として私たちは、間伐の準備として半年以上前から森の木々の種類、幹の太さ、本数などを調べ、「選木」を行います。どの木を伐り、どの木を残すかは私たちに委ねられています。それは木の命をいただく行為であり、森の未来を方向づける行為でもあります。だからこそ、私たちは選木において、謙虚な姿勢と森を敬う気持ちを忘れないように心がけています。

木は伐れば伐るほど利益を生み出しますが、目先の利益だけを追い求めると、次世代の豊かな森が失われてしまいます。だからこそ、私たちは森の仕組みを十分に理解した上で、動植物の多様性に配慮した持続可能な森づくりを担い、次世代に「豊かな森」を残していきます。