環境負荷削減に向けた見える化の取り組み Vol.2 ~家電リサイクル~
電気銅・電気鉛の取り組みに引き続き、家電リサイクルの取り組みについてご紹介します。
当社は家電メーカーと協力しながら全国6社7工場で家電リサイクル事業を行っています。LCA(Life Cycle Assessment:ライフサイクルアセスメント)の取り組みは2003年から行っており、現在まで継続して評価を行っています。
当社は家電メーカーと協力しながら全国6社7工場で家電リサイクル事業を行っています。LCA(Life Cycle Assessment:ライフサイクルアセスメント)の取り組みは2003年から行っており、現在まで継続して評価を行っています。
家電リサイクルのLCAプロセス
2001年に「家電リサイクル法」が施行される前、家電製品は「全て埋立」あるいは「鉄のみは回収しそれ以外は埋立」されていたと言われており、LCAでは、家電リサイクルを実施した際の環境負荷を、家電リサイクル法が施行される前の状況(2つのシナリオ)と比較、評価しています。
(a) 家電リサイクル事業での環境負荷を算出
使用済み家電製品が家電リサイクル工場に入ったところを評価の出発点とし、家電リサイクル工場で解体を行い、部品や素材を回収した後、リサイクラーや製錬所などに輸送し、再生素材となるところまでの環境負荷を算出
(b) 家電リサイクルを実施しない場合として、2つのシナリオで環境負荷を算出
・シナリオ1:使用済み家電製品を全量埋立し、(a)の再生素材を天然資源から新規製造
・シナリオ2:使用済み家電製品から鉄のみ再生、残りは埋立し、(a)での鉄以外素材を天然資源から新規製造
(a)と(b)でのGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量、エネルギー使用量、天然鉱物資源消費量、埋立処分量を比較し、差分((b)-(a))を環境負荷削減効果として評価しています。環境負荷は活動量に原単位を掛け合わせることで算出します。活動量には工場から共有される一次データ、原単位として使用する二次データには、主にAIST-IDEAを使用しています。
AIST-IDEAとは環境影響の見える化を実施する際に必要となる排出原単位を提供するデータベースです。
また、家電リサイクル工場では、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の冷媒フロンおよび冷蔵庫の断熱材フロンを回収しており、別途、回収フロンをCO2量に換算して評価しています。
当社ではこれら一連のプロセスを、独自で開発したクラウド型の操業管理システムの機能を使用し実施しています。本システムは各家電リサイクル工場の操業を支援するとともに、本社でのデータ管理や業務効率化にも使用されています。
(a) 家電リサイクル事業での環境負荷を算出
使用済み家電製品が家電リサイクル工場に入ったところを評価の出発点とし、家電リサイクル工場で解体を行い、部品や素材を回収した後、リサイクラーや製錬所などに輸送し、再生素材となるところまでの環境負荷を算出
(b) 家電リサイクルを実施しない場合として、2つのシナリオで環境負荷を算出
・シナリオ1:使用済み家電製品を全量埋立し、(a)の再生素材を天然資源から新規製造
・シナリオ2:使用済み家電製品から鉄のみ再生、残りは埋立し、(a)での鉄以外素材を天然資源から新規製造
(a)と(b)でのGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量、エネルギー使用量、天然鉱物資源消費量、埋立処分量を比較し、差分((b)-(a))を環境負荷削減効果として評価しています。環境負荷は活動量に原単位を掛け合わせることで算出します。活動量には工場から共有される一次データ、原単位として使用する二次データには、主にAIST-IDEAを使用しています。
AIST-IDEAとは環境影響の見える化を実施する際に必要となる排出原単位を提供するデータベースです。
また、家電リサイクル工場では、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の冷媒フロンおよび冷蔵庫の断熱材フロンを回収しており、別途、回収フロンをCO2量に換算して評価しています。
当社ではこれら一連のプロセスを、独自で開発したクラウド型の操業管理システムの機能を使用し実施しています。本システムは各家電リサイクル工場の操業を支援するとともに、本社でのデータ管理や業務効率化にも使用されています。
取り組みの成果
2023年度の家電リサイクル5社6工場でのシナリオ1(全量埋立)と比較した環境負荷削減実績は以下の通りです。
【GHG排出量 削減効果】 約16万t-CO2eq/年
【フロン回収による効果】 約124万t-CO2/年
【エネルギー使用量 削減効果】 約9万t-原油/年
【再生された金属資源量】 鉄 約5.4万t/年、銅 約6,800t/年、アルミ 約3,700t/年
【埋立処分量 削減効果】 約12万t/年
各家電リサイクル工場での環境負荷の算定・評価は毎年行い、結果の報告とポスター送付を行っています。各工場はそのポスターを用いて家電リサイクル工場の意義の説明や工場のPRを行っています。
また、本取り組みを継続的に続けることで対外的にも評価されるようになり、LCA日本フォーラム表彰において「会長賞」を受賞しました。マテリアルグループ外の企業から評価依頼を受けるなどリサイクル業界の中で広く認知されています。
【GHG排出量 削減効果】 約16万t-CO2eq/年
【フロン回収による効果】 約124万t-CO2/年
【エネルギー使用量 削減効果】 約9万t-原油/年
【再生された金属資源量】 鉄 約5.4万t/年、銅 約6,800t/年、アルミ 約3,700t/年
【埋立処分量 削減効果】 約12万t/年
各家電リサイクル工場での環境負荷の算定・評価は毎年行い、結果の報告とポスター送付を行っています。各工場はそのポスターを用いて家電リサイクル工場の意義の説明や工場のPRを行っています。
また、本取り組みを継続的に続けることで対外的にも評価されるようになり、LCA日本フォーラム表彰において「会長賞」を受賞しました。マテリアルグループ外の企業から評価依頼を受けるなどリサイクル業界の中で広く認知されています。

家電リサイクル工場(5社6工場)の環境負荷削減効果(2023年度実績)
課題解決手法は業界唯一のシステム
家電リサイクルの環境負荷算定・評価は扱うデータも膨大であるため、データのやり取りが多く、計算時間が非常にかかるという課題がありました。その解決方法として、工場に導入している操業管理システムに評価機能を持たせ、原単位データなどを入力すればシステム内のデータを用いて評価結果を自動的に算出できるようにしました。
その結果、1工場あたり12日もの作業時間の削減につながることが判明し、5社6工場で約3か月分の工数削減を見込んでいます。
家電リサイクル工場のシステムにこのような評価機能があるのは現時点で当社以外にはないかと思います。
その結果、1工場あたり12日もの作業時間の削減につながることが判明し、5社6工場で約3か月分の工数削減を見込んでいます。
家電リサイクル工場のシステムにこのような評価機能があるのは現時点で当社以外にはないかと思います。

今後、家電リサイクル業界の中で当社の評価手法がデファクトスタンダード(業界標準)となることにより、さらなる地位の確立とビジネスの拡大を目指します。