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2022.10.07

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大地の豊かなエネルギー 地熱発電への挑戦 Vol.2

<地熱資源量調査>
地下のエネルギーを探し当てる

三菱マテリアルの地熱発電事業は、新しい発電所の立ち上げに際し、企画部門でリスクや採算性を見極めるための事業性評価を行い、現地で熟練の技術によるさまざまな探査や調査を行った上で、事業化を決定します。

地熱開発の最重要ポイントは地域への貢献

環境•エネルギー事業カンパニー エネルギー事業部
エネルギー事業企画部
梅田 知佳

 私は地熱発電をはじめとする再生可能エネルギー事業の新規プロジェクトの立案・推進に携わっています。現在、新規プロジェクト推進に関する部門は、企画部門と技術部門のそれぞれが役割分担しながらプロジェクトを進めています。
 昨年までは、企画部門と技術部門が分かれておらず、地熱開発に関わるメンバーが皆東京にいたことから、調査や工事のたびに担当者が現場へ出張していました。しかし、今年からは当社のフィールドが集中している秋田県鹿角市に技術部門を置くことで、迅速に現場での対応ができるようになりました。企画部門は東京で業界の最新情報の収集・企画立案等、技術部門は調査や掘削などの技術面に集中し、それぞれの地の利と得意分野を伸ばす体制を構築しています。
 当社は50年にわたる地熱開発による技術力が強みですが、技術力の伝承とともに最新の技術や社会ニーズの変化にもアンテナを張ることが必要と考えています。これにより、さまざまな地熱や他の再生可能エネルギーの開発に柔軟に対応できるものと思います。
 昨今は、脱炭素化の取り組みが企業価値や地域の活性化に直結するようになりました。今後は、会社の利益だけではなく、企業価値の向上や地域貢献につながる仕事ができるようになりたいと思っています。そのためには事業に関する知識・技術はもちろん、法律や会計などの幅広い分野の理解が必要です。新規事業検討に携わりつつ、ノウハウを習得することで、柔軟にアイデアを創出し、説得力を持って新規事業を推し進められる人材になれるように努力していきます。
【事業化検討前】
地元理解
案件発掘 / 調査計画
地熱資源の可能性がある場所は、約8割が国立公園内にあり、温泉地にもなっています。そのため、自然環境を守り、地元産業との共存を図る必要があり、コミュニケーションが不可欠です。文献調査・有望地の選定・情報収集を行い、調査計画を策定。その後、経済性を評価し、事業化の検討に入ります。

【事業化検討段階】
資源量調査( 3~ 5 年)
地表調査
地質調査や物理探査等を実施し、地下の構造を把握します。
道路 / 敷地整備
調査井を掘削するための道路や掘削敷地を整備します。
調査井掘削
実際に井戸を掘り、地下の詳細な構造を把握したり蒸気の噴出を確認します。
環境アセスメントの実施
出力1万kW以上の事業は必ず環境アセスメントを行い、環境への影響について、調査、予測、評価を行い、結果を公表します。