Al-Rich(アルミリッチ)コーティングってどんな技術?
日常の移動に欠かせない、自動車や航空機。それらの部品を作るために必要なのが、切削工具という金属を削る工具です。切削工具は削られる金属よりも「硬いこと」が絶対条件。三菱マテリアルはより硬い工具にするために、切削工具の表面に特殊な金属膜をつける「コーティング」の技術開発に取り組んできました。

ソザイに詳しい
Dr.マテリ
三菱マテリアルのラボで日々研究に勤しむ、
素材フリークな博士。
素材フリークな博士。
コーティング材料は、配合の「タイミング」で硬さが変わる?

高い硬さを有する窒化チタンに、熱に強い窒化アルミを多く配合させることで、非常に熱に強く、硬い材料になります。これを「窒化アルミチタン」といい、この皮膜が切削工具の「コーティング」に使われます。 ここで重要なのは、窒化チタンと窒化アルミの「さじ加減」。より熱に強くしようと、窒化アルミを多く入れすぎると、硬さが低下してしまうという問題があります。これを解決するのが、窒化アルミを入れる「タイミング」なのです。


独自の「最強レシピ」で高性能化に成功!
工具をコーティングする皮膜の性能は、料理の「味」のようなもの。実は三菱マテリアルには独自の「最強レシピ」があり、窒化アルミを入れるタイミングを少し変えることで、多く入れても硬さが低下しない窒化アルミチタン膜を作ることができます。この独自の膜は「Al-Rich(アルミリッチ)コーティング」と呼ばれ、部品加工の現場で活躍しているのです。

【こんなところに活かされます】
自動車や航空機の部品加工のために
Al-Rich(アルミリッチ)コーティングは、切削工具の耐摩耗性や耐熱衝撃性を飛躍的に向上させ、自動車や航空機の進化に貢献してきました。こうした高パフォーマンスな切削性能によって、これからも自動車や航空機の部品加工技術の向上に貢献していきます。

三菱マテリアルのAl-Rich(アルミリッチ) コーティングは、切削工具の寿命をなんと4倍以上(従来比)に長くさせたのじゃ。