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2023.01.05

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技術の力で未来をつくる Vol.1

今、世界には、地球温暖化、エネルギー資源の枯渇、増え続ける廃棄物など、さまざまな社会課題が山積しています。
三菱マテリアルはこれらの社会課題に向き合い「、豊かな社会」「循環型社会」「脱炭素社会」の構築に貢献することを目指し、次世代自動車、IoT・AI、都市鉱山、クリーンエネルギー・脱炭素化を注力すべき4分野として、新しいマテリアルの研究開発を進めています。
「マテリアルが未来をつくる」という強い使命感のもと、独自の製品と技術を生み出し続けている三菱マテリアルの研究開発者たちの声をお届けします。

豊かな未来をつくる ユニークな技術と製品

三菱マテリアルには、長年培ってきた技術力があります。この技術力を活かし、社会課題の解決にどのように貢献しているのか、その一部をご紹介します。

次世代自動車の普及を後押し
高性能銅合金

銅合金と無酸素銅
MSP®シリーズ
MOFC®-HR

 自動運転機能の進化、システムの電動化、ワイヤレスネットワークの導入に伴い、走行センサーの搭載、車両制御や装備の電気部品の増加、回路の大電流化が進んでいます。電気部品の材料である銅製品に求められているのは、高強度、高導電性、ばねの劣化を抑止すること。三菱マテリアルの銅合金「MSP®」シリーズは、それらの特性を満たし、小型端子、高周波端子、高圧端子などに採用されています。自動車の高機能化を支える材料の一つとして、陰ながら、次世代自動車の普及に貢献しています。
 また、新たに世界最高水準の強度と耐熱性を有する無酸素銅「MOFC®- HR」の開発にも成功。こちらも過酷な環境条件で大電流、高放熱が求められる電気自動車や次世代エネルギーなどの電気機器に最適な部材です。

作業性と接続性を同時に満たす
自動車コネクタ端子用めっき

めっき
PICめっき®

 自動車の電装化が進むにつれて、電装部品のコネクタ類が小型化・多極化しています。それに伴い、コネクタ端子の接触面積が大きくなるため、摩擦によって挿入しにくいという問題が発生しています。コネクタ端子用の銅合金は、電気的な接続信頼性の高いリフロー錫めっきで表面処理することが一般的でしたが、摩擦抵抗の低減には限界がありました。
 そこで三菱マテリアルは、グループ独自の技術を応用し、摩擦抵抗の低減と電気的な接続信頼性を両立した「PICめっき®」(PIC : Precise Interface Control)の開発に成功。めっき表面の動摩擦係数を、従来に比べて約30%低減した新しいめっき方法を生み出しました。

耐摩耗性や耐熱性の限界に挑戦
コーテッド超硬工具

表面処理
Al-richコーティング

 切削工具は、硬い金属を加工するために工作機械に取り付けられる刃先部分のこと。耐摩耗性や耐熱性を向上させ、より長持ちさせるために「(Al,Ti)N(アルミチタンナイトライド)膜」※で表面を被覆しています。しかしこれまでは、耐摩耗性や耐熱性の向上には限界があると考えられてきました。
 三菱マテリアルはこの限界に挑戦。独自技術による新しいコーティングプロセスにより、高温の環境でも従来比4倍以上の長寿命を実現する「Al-rich(アルミリッチ)コーティング」を開発。従来製品よりも高い切削速度や効率的な加工を可能とすることで加工時間を大幅に短縮し、各種産業でのものづくりに貢献しています。
※Al( アルミニウム)とTi( チタン)およびN(窒素)からなるコーティング膜

密着して接触面の熱抵抗を軽減
粘土状の新樹脂素材

樹脂
伝熱パテ

 自動車や電子機器などの機能が高まると、機器が熱を帯びてしまうため、放熱という課題が生じています。そこでニーズが高まっているのが伝熱材料。リチウムイオン電池モジュールや電子回路基板等の発熱した高温部材からヒートシンク等の低温の放熱部材への熱の移動を促すために、それらの部材間に挟みこんで使われます。三菱マテリアルは、新たな伝熱材料として「伝熱パテ」の開発に着手。柔らかい粘土状で部材に密着させることができるため、従来のゴムシートタイプの伝熱シートに比べて、接触面に生じる熱抵抗を低減することが期待できます。目下、この技術の実用化を目指して開発を継続しています。