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2023.01.05

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技術の力で未来をつくる Vol.2

<マテリアルの可能性はここから広がる>
イノベーションを生み出す土壌

三菱マテリアルの研究開発は、戦略本社ものづくり・R&D戦略部の下、実行部隊であるイノベーションセンター(主に那珂、大宮、北本、小名浜の4地区)やインキュベーションセンターで行われています。
2019年には社会の変化により迅速に対応するため、複数の専門分野の知見を融合するフレキシブルな組織体制に一新。アイデアの創発を促す自由な風土の下、新製品・新技術の創出を加速しています。
イノベーションセンターでは、次の100年に向けた組織風土改革を進めています。その一環として組織体制を縦割り組織から、複数の専門分野をまたいだフレキシブルな体制へと再構築しました。また、全ての研究員がセンター長直轄というフラットな組織になったことで、プロジェクトリーダーが必要な人材を集めやすくなり、研究員自身も上からの指示を待つことなく自発的に研究に取り組む風土が醸成されています。
さらに、オンラインコミュニケーションツールの導入によっ て情報発信や情報共有が活発になり、各々が持つ知見が融合。斬新で新しい切り口の研究テーマが生まれやすくなり、確実に成果が出ています。

アイデアを 生み出しやすい風土づくり

研究者が好奇心を発揮し、新たなテーマを生み出す仕掛けとして、「10%カルチャー」をはじめとするさまざまな制度を導入し、組織文化として醸成しています。2019年には、既存事業や技術の枠にとらわれることなく新たな研究テーマを構想する「未来創造変革プロジェクト」をスタート。研究員たちが、自由な発想で当社の事業の芽となるアイデアを創出し、新しいプロジェクトに挑んでいます。

世界初の技術を生み出したい

未来創造変革プロジェクト
第1期メンバー

鈴木 峻平

 いつか取り組んでみたいと思っていたテーマは数多  くあったので、「未来創造変革プロジェクト」には迷うことなく参加しました。テーマは、当社では取り組んでいないバイオ系の分野で、微生物を使って貴金属を回収する世界初のプロセス開発です。2年の任期のうち、半年間は情報収集とアイデアの立案、その後は、半年かけて約100件の研究機関にコンタクトをとって仲間を探し、プロジェクトを立ち上げ、残りの1年間で基礎実験を行いました。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに採択され資金を提供いただくこともできたので、事業化を目指して検討を続けています。

環境から風土を変える「個の深化」と「共創」

 組織風土改革の一環として、研究員が働く環境をリニューアルしています。研究員一人ひとりが自分に合った環境で効率的に働くための「個の深化」、異なる専門分野を持った研究員同士が交流し、新たなアイデアを創るための「共創」をテーマに、自分たちでこだわり抜いた居室レイアウトを採用しました。

自然にコミュニケーションが生まれる環境

居室レイアウト変更プロジェクト
事務局メンバー

坂口 萌

 イノベーションセンターは、主に那珂、大宮、北本、小名浜の4地区に拠点がありますが、那珂地区が先頭を切ってレイアウトをリニューアルしました。ただ内装をきれいにするのではなく、組織変革につなげることを目的に、他の地区も含む全ての研究員にアンケートを実施して、さまざまな意見を吸い上げました。複数の案に対して全員が評価し決めたため、満足度の高い結果になったと思います。執務空間をフリーアドレスにしたことで、普段関わりのない研究員間のコミュニケーションが活性化しました。「個の深化」と「共創」というコンセプトが具現化しつつあります。

自然光が入る開放的なカフェスペースには、常時、研究員たちが集まり、議論が盛り上がっている。

データ活用による効率化を推進

マテリアルズインフォマティクスを活用

 三菱マテリアルは、さまざまな材料ニーズの多様化に迅速に応えるため、試行錯誤に依存していた従来手法に替わり、データ科学に基づく機械学習や人工知能を活用したマテリアルズインフォマティクス(Materials Informatics、以下MI)を活用しています。
 2020年6月には、MIの専門性を高めるため、国立研究開発法人物質・材料研究機構と「NIMS-三菱マテリアル情報統合型材料開発センター」を設立し、開発期間の短縮、新しい材料の発見・開発に取り組んでいます。