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2023.10.10

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自動車・半導体の進化を担う Vol.3

堺工場
生産体制強化と技術力向上で、次 世代技術を支える

 自動車の電動化・電装化の進展や、通信規格5Gの普及などに伴い、車載端子や放熱用の電子部品など、銅加工品の需要が高まっています。三菱マテリアルはそうした次世代に向けた技術の発展に貢献するため、これらの原料である「型銅品」の生産体制強化に注力しています。
 堺工場では生産量を現行より増産すること を目標に、鋳造設備の増強を進めてきました。しかし、設備を増強するだけでは、目標は達成できません。工場の人、機械、材料、方法の4要素を分析し改善する必要があり、さらに他の工場や他の部署と連携することが不可欠です。販売部門や2次加工を担う三宝製作所と呼吸を合わせて生産を進め、作業の効率化や在庫の適正化を図ることで、生産体制を強化できるからです。
 そこで堺工場では設備の増強を見越し、数年前から既存ラインの稼働率向上に向けた取り組みを進めるとともに、三宝製作所をはじめとする関係組織と密に協議を重ね、互いの作業手順を共有し、連携の強化に努めてきました。これにより既存ラインの稼働率が改善し、各拠点が最大限力を発揮できる体制を構築しています。今後はDXの活用も検討し、より効率的な生産体制を築くことで、さらなる生産量拡大を実現します。
 今後も堺工場は生産体制の強化を着実に実行し、次世代技術の進展による豊かな社会の実現に貢献していきます。
中経2030
My Challenge

高機能製品カンパニー
堺工場
製造部 型銅課
課長

園畠 喬

これまで培った溶解•鋳造の技術で高品質な銅を生み出す

 堺工場には、長年培ってきた溶解・鋳造技術により、銅中の酸素濃度を極限まで低く保った無酸素銅を量産することができるという強みがあります。一般的に銅には、水素を含む雰囲気中で加熱するともろくなる「水素脆化」という現象が課題としてあり、無酸素銅はその解決策としても使用されてきました。三菱マテリアルは長年にわたり無酸素銅を製造してきた中で、技術関係者が試行錯誤を重ね「銅中の酸素濃度を極限まで下げ、それを安定させることができる技術」を確立しました。その技術を活用し、極めて酸化しやすいことから合金化が困難なマグネシウムの銅合金「MSPシリーズ」も量産しています。MSPシリーズは従来の銅合金よりも高い強度、曲げ加工性および耐応力緩和特性を有するため、車載用端子などの性能向上に貢献できます。
 また、三菱マテリアルでは銅リサイクル率の向上にも取り組んでいます。このうち堺工場では、三宝製作所などで発生した端材などのスクラップを再溶解し、型銅品への再利用を促進しています。そうした取り組みにより、当社の競争力向上はもちろん、省資源化やCO2排出量の削減にもつなげていきます。